【2021】CMOSイメージセンサの世界シェア

イメージセンサ

Yole Développementが2020年のCMOSイメージセンサの世界シェアについて発表しています。現状と今後のイメージセンサ界がどうなるのか予測てみました。

引用元:Yole Développement(http://www.yole.fr/2014-galery-Imaging.aspx)

CMOSイメージセンサ市場の現状

トップはSonyで40%のシェアを獲得しています。トップからの順位は昨年(2019年)と変わっていないようです。さすがにSony、Sumsung、OmniVisionの3社は強いですね。特にSonyは1社で40%で2位のSumsungから約2倍近くのシェアを獲得しています。 日本勢としては、1位のSonyとPanasonic、Canonが1%ずつの3社がランクインしています。PanasonicとCanonについては、おそらくスマートフォン向けにイメージセンサを出荷していないのだと思います。そのため、一眼レフ(ミラーレスなど)と産業用でこのシェアを獲得しているはずです。ちなみに、パナソニックについてはすべての半導体事業を売却しているので今後シェアから消えていく可能性があります。
 スマートフォン向けのイメージセンサは、小さいサイズのイメージセンサばかりです。そのため、小さい面積で最高の性能を出すには、製造プロセスなども最新でないとかなり不利になると思います。Canonは自社で工場を持っており、イメージセンサも自社で製造しています。そのため、Canonも製造プロセスの進化に伴って、スマートフォン向けなどに提供するようになりシェア拡大の可能性もあるかもしれませんね。Canonが消えてしまうと日本勢がSonyだけになってしまうので、ぜひ頑張ってほしいですね。

 話は戻りますが、イメージセンサの用途別シェアはおそらくスマートフォン向けイメージセンサのシェアが高いことからSony、Sumsung、OmniVisionのシェアが高くなっているのだと思います。  
 ここで、スマートフォン向けCMOSイメージセンサのシェアを確認してましょう。調査会社trategy Analyticsによると、2021年第2四半期でSonyが41%のシェアを獲得しています。また、Sonyに続いてSumsung、OmniVisionが続いています。順位としては、CMOSイメージセンサの世界シェアと同じになっています。これは、CMOSイメージセンサの用途別台数比で半数以上がスマートフォン向けに製造されているためだと予想できます。最近のスマートフォンは3眼とかも出てきているので、シェアは必然的に大きくなりますね。では、今後の予測としてはどうでしょうか。

CMOSイメージセンサ市場の予測

 これまでは、スマートフォン向けのシェアを獲得していた企業がそのままCMOSイメージセンサの世界シェアを獲得していました。それでは、今後もその傾向が続くのでしょうか。これは、すでにソニーが予測を示しています。
 誰もが驚いた、CES2020での「Vision-S」の発表。あの時、ソニーの社長はこれからはモビリティの時代になると発言しています。ソニー自ら車を作って発言しているので、説得力がありますね。同時に今後モビリティ分野へ力を入れていく覚悟を感じます。この発表からも、今後はモビリティ向けのイメージセンサのシェアが増えてくることが予測できます。ソニーは、世界イメージセンサー出荷金額の予測を示しています。こちらでも、モバイル領域は飽和気味になり新規領域(モビリティ、工場自動化、セキュリティ)の領域が増えてくると予測されています。

引用元:ソニーセミコンダクタソリューションズ(https://www.sony-semicon.co.jp/technology/direction/)

 またVision-Sには40個のセンサが使われており、中でもカメラやLiDARは20個以上使用されています。近い将来自動運転が普通の世界になれば、これ以上のセンサが搭載された車が大量に生産されるわけです。そうなれば現在のスマートフォン以上のイメージセンサが生産される可能性もあるのです。

Sony Vision-S ドイツでの車両走行テストの様子

 現状、車載向けCMOSイメージセンサのシェアとしては少し前のデータですが、オン・セミコンダクターが1位で半数以上のシェアを獲得しています(2017年)。今後SonyとSamsungがモビリティ事業向けに本格参入することが予測されます。今後ソニーがモビリティ向けイメージセンサでトップを奪うことができれば、イメージセンサ界でトップに君臨し続けるのではないでしょうか。逆にトップを奪えない時は、ソニーのシェアが徐々に奪われていくかもしれませんね。日本人としてはソニーに頑張ってほしいです。

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