【図解】イメージセンサとは?CMOSイメージセンサの基本原理【画素構造】

イメージセンサ

画素って何?どんな構造なの?そんな疑問をもっている方はこのサイトに書いてあるので読んでみてください。イメージセンサ全体のことを知りたい場合は、以下の記事に記載しているのでそちらもぜひ確認してみてください。

 それでは、画素とは何でしょうか。画素とは簡単に言うと、光を電荷に変換させる部分になります。この動作を光電変換と呼びます。下の画像の赤く囲んだ部分が1画素になります。1画素だとある1点の明るさを測定するだけになります。その画素がアレイ上に集合することで、1枚の画像を作り出せることになります。

 画素構造には、3トランジスタ型画素と4トランジスタ型画素と呼ばれる画素構造があります。ここでは、その二つの画素構造について解説していきます。

3トランジスタ型の画素構造

まずは、3トランジスタ型の画素構造についてです。その名の通り3つのトランジスタを用いた画素構造になります。

3トランジスタ型画素回路

構成している3つのトランジスタは、リセットトランジスタ、行選択トランジスタと増幅トランジスタです。この画素構造の基本的な動作としては、PDに光が入射して光電変換によって電荷が発生します。その電荷をPDで蓄積し、PDの電位が変化します。ここでPDの電位をソースフォロワ回路から読み出しVsigとして取得します。その後リセットトランジスタをオンにしてPDをリセットし、直後の電圧を読み出すことでVrstを取得します。この2つの信号の差分をとることで固定パターンノイズを除去することができます。一方でこの画素構造では、先にVsigを取得しその後Vrstを取得します。この場合、2つの信号に相関性がないためリセットノイズの除去ができないという問題があります。

4トランジスタ型の画素構造

 3トランジスタ型の画素構造では、リセットノイズの除去ができないという問題点がありました。そこで新しく開発されたのが4トランジスタ型の画素構造になります。この画素構造は、その名の通り4つのトランジスタを用いた画素構造になります。先ほど説明した3トランジスタ型の画素構造に転送ゲートTXと浮遊拡散層FDを追加した構造になります。

4トランジスタ型の画素構造

 この画素構造の動作は、入射光によってPDに信号電荷が蓄積します。その時、FDに蓄積しているノイズ成分をリセットトランジスタをオンにすることでノイズ成分を除去します。リセット直後のFDの電位を読み出しVrstとします。次にPDに蓄積した信号を転送ゲートTXをオンにすることによって、FDに転送します。信号電荷によりFDの電位が変化するので、Vsigとして読み出します。この時、VsigとVrstの差分をとり信号を出力します。先ほど説明した3トランジスタ型の画素構造では、Vrstを次のフレームから取得しているため相関性がありませんでした。一方で、4トランジスタ型の画素構造では先にVrstを取得するため、VrstとVsigが同じリセットノイズを持つことになります。そのため二つの差分をとることでリセットノイズを除去することが可能となりました。

 この4トランジスタ型の画素構造では、埋め込みフォトダイオードを採用することができます。この構造はもともとCCDで使われていた技術ですが、CMOSイメージセンサにも採用されました。(大発明)この構造が採用されることによりPDの表面で発生していた暗電流の発生を抑制できるようになり、CMOSイメージセンサの低ノイズ化が加速しました。

まとめ

 それでは、今回の記事のまとめです。

Q.画素って何?
A.イメージセンサ内の光電変換を行う部分

Q.3トランジスタ型画素と4トランジスタ型画素の違いは?
A.4トランジスタ型画素は、3トランジスタ型に転送ゲートを追加した構造になります。
 PDで電圧を取得するか、FDに転送してから電圧を取得するかの違いがあります。

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